星とか夜とか月とか空が好きだ。おまけに電車から景色を見ることも好きだ。それは『銀河鉄道の夜』を何回も何回も読んでいたからだと思う。でも、大きくなって読み返す度に悲しい話だったんだなぁと、いろんな言葉で気づかされる。星や光や花や鳥の描写だけでなく、温度、音、香りまで事細かに書かれているのは本当の文学者である彼だからこそ、こんなに繊細に綺麗にまとめられているんだなと読んでいて思う。乗車しては去っていく人間。どこまでも一緒にはいられない現実。最後のカムパネルラとジョバンニのやりとりが悲しい。名作はいつまでも世に残って、たくさんの人に愛されるんだろう。