山がごぉごぉ音を立て、緑の田んぼが延々続く、小さな田舎町の小さな恋物語。主人公の「右田そよ」こと、「そよちゃん」の目線でゆっくり流れる田舎町の季節と人々。いつの間にか自分もその田舎町の1人の住人の気分になっていた。澄んだ空気を一緒に吸い込んでいるみたいな気分になった。自分がそんな本当の田舎町に住むなんて、今までは想像もつかなかったけどこの小説を読んでる間は確かにその田舎町に自分も住んでいた。優しい終わり方だったので、最後まで読み終えてほんのり幸せになった。