やまなし (日本の童話名作選)

やまなし (日本の童話名作選)

クラムボンはかぷかぷわらったよ」たぶんほとんどの人がこの一節で「ああ、あの話か」とピンとくるだろう。この話が昔から大好きでずっと今も覚えている。でも今になって読み返すと、水の底のキラキラした描写や水面の光の描写がうっとりするほど綺麗に書かれていることに気づく。独特の淡々としたリズムと、独特な言い回しが読んでいて心を楽しくさせる。「かぷかぷ」「ぼかぼか」「もかもか」などの独特な言い回しに今になって、うわあやっぱり天才だなんて思ってしまう。あと1番綺麗な表現だと思ったのは「ラムネ瓶の月光が〜」という部分。宮沢賢治の書く言葉や表現にすごく憧れる部分とジェラシーを感じてしまう。人間の世界でなく、どこかの不思議な世界を書く才能は本当に長けているなと思う。