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また会う日まで

どうしてこの人の小説を読み終えると、当たり前の毎日が少しまぶしく特別なものになるんだろうと思う。読み終えてから毎回不思議な気持ちにさせられる。この人の小説には恋だとか好きだとかのニュアンスは毎回ほんわか感じさせられるんだけど、キスもセックスも毎回出てこなくて、意識したやらしい文章すらなくて…でも"その人間"がとりあえず好きなんだなぁと言うことはすごく分かる。それが相手の視線だったり言葉と言葉の間だったり口癖だったり睫だったり。ほんとその相手をよく見て知っておかないと分からないような微妙なところを書く人なんですよね。今回は中盤から面白く読めましたね。"凪子"の出現が今回いいスパイスとなりました。この人の書いてきた小説の中からすると、今までで１番男女の中で何かが起こるのでは？と終始匂わしてくれた作品ですね。その微妙なラインの関係を小説として書いたのがすごく良かった。中盤までわりと、もたもたしてたのが、終盤から特にいきおいついて駆け抜けていった感じも読み終えて爽やかな気分にさせてくれて良かったです。次回作も楽しみ。